蒸し暑い日があったかと思えば、雨で急に気温が下がるなど、寒暖差の激しいこの季節。気づくと鼻がつまったりして、「あれ、夏風邪ひいたかな」なんて思うこと、よくありませんか? でもそれ、本当にただの夏風邪なのでしょうか。
じつは症状によっては、風邪ではなく「ちくのう症」という病気の可能性があるのだとか。しかもちくのう症になると、鼻水や鼻づまりだけでなくほかの部分にも影響を及ぼすのだそう!! 放っておくとさまざまなトラブルを招くちくのう症。自分の状態が夏風邪なのかちくのう症なのか、さっそくチェックしてみましょう!
“ちくのう症”っていったい何!?
「鼻の穴の奥には、外見からは直接見えませんが、副鼻腔(ふくびくう)と言われる空気の穴が左右4つずつあります。この副鼻腔内に雑菌が繁殖して炎症を起こし、鼻水や頭痛、熱が出たりする症状を伴うようになることを、ちくのう症と言います」と教えてくれたのは、医師の佐藤留美先生。
また、ちくのう症は一年中かかる可能性があるため、暑い夏でも注意が必要なのだそう。
さらに佐藤先生からはこんな言葉も。
佐藤先生: 「夏風邪の原因となる細菌やウイルスはさまざまな種類があります。夏風邪の原因は、ウイルス感染が多いのですが、細菌感染による夏風邪も存在します。一般的に風邪は冬場だけではなく、暑い夏にも起こり得るのです。夏風邪といって甘くみてはいけません。こじらせてしまうと、ちくのう症にもなることがあります」。
鼻水や鼻づまりなどの症状を感じたら、まずは夏風邪なのかちくのう症なのかを判断して、適正な治療を行うことが大切といえそうです。
鼻水の“色”と“状態”でちくのう症かどうかをチェック!
では、夏風邪とちくのう症を見分けるポイントは?
佐藤先生: 「ウイルス感染が多い夏風邪の場合は、鼻水の色が透明ですが、ちくのう症の場合の多くは、細菌感染症ですので、鼻水が黄色や緑色っぽくなります。これで、両者を見分けています」
さらに、「鼻水がドロっとしている」「鼻をかんでも奥に残っている感じがする」「ボーっとする。集中できない」といった症状も、ちくのう症の可能性が高いそう。こちらのサイトでは、さらに詳しいちくのう症のセルフチェックができるので、気になる人はいちどチェックしてみて。
頭痛や疲れ、口臭なども、ちくのう症が関係している!?
ちくのう症になると、ドロッとした黄色や緑色の鼻水が長引くだけではなく、ほかにも症状が出てくるのだそう。具体的には
・頭痛や集中力の低下
・疲れやすくなる
・歯や目、鼻の周りに痛みを感じる
・食べ物のニオイや味がわからなくなる
・口臭が気になる
などなど……。
今までは、「ちょっと鼻がつまっているだけだから放っておけば治るでしょ」と気楽に考えていた人も、こうなるとさすがに気になってきますよね……。さらに、小林製薬の自社調査によると、6人に1人がちくのう症を経験しているのだとか。ちくのう症は、かなりメジャーな病気といっても過言ではなさそうです。
「チクナイン」で早めの対策を
ちくのう症かなと感じたら、市販薬で対策するのがオススメ。「チクナイン」は、ちくのう症を改善するために開発された薬で、鼻の奥(副鼻腔)の炎症を鎮めながら、膿(うみ)を抑え、ちくのう症のつらい症状を治します。朝夕2回の服用でいいので、昼間は忙しくてつい薬を飲み忘れちゃうという人でも大丈夫。ドラッグストアで買えるという手軽さもうれしいですよね。
風邪かなと思ったら、まずは鼻水のチェックを。黄色や緑のドロっとした鼻水が出た場合はちくのう症を疑って、早めに薬を服用しましょう。
▽ 佐藤 留美医師(内科)
略歴:2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。
現在は、呼吸器内科にて常勤医日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、「日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、肺がんCT検診認定医」Doctors Meで、女性の健康や美容などについての記事を執筆中